今回は、猫に多い腎臓の病気「慢性腎臓病」についてご紹介します。
まず、腎蔵病とは、何らかの原因によって腎臓の機能に障害が起きている状態を指す病気です。
長い時間を掛けてゆっくりと腎機能が低下します。
加齢に伴い機能が低下するケースが多く、7歳以上によく見られる病気です。
慢性腎臓病の原因はまだハッキリと特定されていませんが、腎臓への負荷が原因だそうです。
猫は元々砂漠や高山等の水の少ない環境に生息していたので、比較的腎臓の強い動物と言われています。
しかし、猫の腎臓はよく働きすぎるあまり、その代償として歳をとると共に大きな負担が掛かると言われています。
このため、殆どの猫は歳をとると腎機能が低下してしまうと考えられるそうです。
慢性腎臓病の症状は4つのステージに分ける事ができます。
無症状。血液検査でも異常は無いが、尿比重の低下や蛋白尿、腎臓の形状の異常が認められます。
他飲多尿や軽度貧血等の症状が発現し、ときに体重低下を示すことがあります。
食欲低下や間欠的嘔吐、体重低下、貧血を引き起こします。
嘔吐や下痢等の消化器症状、嗜眠傾向や痙攣等の神経症状と多臓器不全を示し、とても危険な状態に陥るので、積極的な治療無しでは生命維持は困難になります。
慢性腎臓病の診断に必要なものは、血液検査や尿検査、超音波検査等です。特に早期発見に繋がりやすいのは尿検査で、血液検査よりも早めに異常に気づく事が出来ます。
上記の検査により、「腎機能が低下している」ことが一回分かっただけでは、慢性腎臓病と診断するのは難しいです。
継続的に検査を行い、3ヶ月以上持続的に腎臓がダメージを受けていたり、腎臓の糸球体ろ過率が低下している事が確認出来たら、慢性腎臓病だと診断する事が出来ます。
腎臓の機能を低下させる病気は他にも、腎結石や尿路結石、腎臓腫瘍、細菌感染など複数あるので、それらが併発していないか等の検査も同時に行います。
慢性腎臓病により一度壊された腎臓の組織が、治療により回復する事はありません。その為、血液中の老廃物や毒素を体内に貯留させない、慢性腎臓病の進行を緩やかにする事が主体となります。
治療法としては、主に点滴(静脈点滴や皮下点滴等)や積極的な水分摂取による脱水防止や、体内の水分量を増加させ尿量を増やし、老廃物の排泄を促します。
そして、これらの治療を大きく支えるのが「療法食」です。
最近では、多くのメーカーさんから慢性腎蔵病の療法食が販売されており、形状も、ドライフード・缶詰・パウチタイプ等色々なタイプから選べます。
複数のメーカーさん、様々なタイプの療法食を試してみて、愛猫が好んで食べる療法食を複数見つけておく事をオススメします。
猫は、好んで食べていたフードだったとしても、ある日突然食べなくなるということが起こるからです。なので、好んで食べてくれる療法食を適宜取替えながら食べさせるといいです。
腎蔵病の予防は、塩分を控えた栄養バランスのとれた食事や新鮮な水がいつでも飲める環境を保つようにする事が大事です。
腎臓病は他の病気から引き起こされる事もあるので、定期的に健康診断やワクチン、血液検査、尿検査などを受けることも大切です。
ご自宅では、猫ちゃんの飲水量・排尿のチェックをこまめに行いましょう。
多飲多尿等の症状が見られた場合は、お早めに動物病院にご相談下さい。
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