肥大型心筋症とは、心臓の筋肉(心筋)が通常よりも分厚くなる疾患です。心筋が分厚くなることにより、血液を送るための心臓の部屋(心室)が狭くなり、心室の拡張性が低下するため心臓が、全身に十分な血液を送ることができず症状が現れます。
猫の肥大型心筋症は有病率(全ての猫のうち特定の疾患を持っている割合のこと)が、約15%ととても高く、発症年齢も3ヶ月から17歳と若齢から高齢の猫までと、とても発症年齢が幅広いことも特徴です。
好発はラグドール、メインクーン、アメリカンショートヘア、ペルシャなどと言われていますが、どの品種でも発生する可能性があります。
このことから、猫ちゃんであればどの子でも今後発症する可能性、もしくはすでに発症している可能性があると言えます。
猫の肥大型心筋症の原因には遺伝的なものが疑われていますが、現在のところは詳細は解明されておらず、原因不明となっています。
心筋症の発症初期では、元気がない、活動性が下がった、食欲が低下する、といった症状がみられることはありますが、それ以外の目立った症状は現れないことが多いです。初期段階で見つけることが難しいのも肥大型心筋症の特徴でもあります。
病気が進むと心機能が低下することで、肺や胸に水がたまり、肺水腫や胸水といった重度の呼吸困難を起こす事もあります。また、肥大型心筋症では心臓内で血栓ができやすく、この血栓が血管につまる「動脈血栓症」という状態になり、血栓がつまったその先の臓器が虚血となり、機能不全を起こし、死亡することもあります。
特に、この血栓は後肢の動血管の分岐部にできることが多く、突然歩けなくなったり、後肢の麻痺を起こしたりします。このような症状になると迅速な処置が必要となります。
肥大型心筋症は、聴診で心雑音が出ないことも多く、定期的に詳しく確認していくことが重要になります。確認方法としては、以下のような検査で心臓の状態を追いかけていく必要があります。
・胸部レントゲン検査:心臓の拡大、胸水や肺水腫のチェック
・心臓の超音波検査:心筋の分厚さ、左心房拡大、左室での血液の逆流、血栓の有無
・血液検査:血液循環に影響を及ぼす異変、脱水、腎不全、電解質異常のチェック
・血圧測定:高血圧になっていないか
肥大型心筋症は身近な病気です。定期的に動物病院でチェックしてもらうことが大事です。ですので、ワクチンや健康診断の際に、合わせて心臓の状態も検査してみる事をオススメしています。
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