肥満細胞はアレルギーや炎症などに関与している細胞の1つで、体のあらゆるところに存在しています。
よくヒトの花粉症で出てくるワード「ヒスタミン」などと言った様々な物質を含んでいます。
肥満細胞と聞くと「太っているからできるのか?」と思いがちですが、細胞の形が腫れたように見えたためつけたれただけで、「肥満」とは関係がありません。
肥満細胞が体内で無制限に増殖、つまり腫瘍(がん)になってしまったものが肥満細胞腫と言われる病気です。
主に皮膚表面に発生し、悪性の皮膚がんの中では最多の腫瘍(がん)になります。
皮膚表面以外にも、皮膚の下の方や口腔などの粘膜、筋肉、内臓などにできることもあります。
皮膚に発生する肥満細胞腫は様々な形態をするので一概に「この形だから肥満細胞腫だ」とは言い切ることは難しです。
サイズも様々、成長して大きくなったり、逆に小さくなったり。
ただ、「サイズが小さくなってきたから大丈夫だ!よかった!」と安心はできません。
肥満細胞腫は肥満細胞が本来持っているアレルギーの原因になるヒスタミンや出血を促進するへパリンなどの物質を通常以上に多く放出してしまうことがあります。
そうなると皮膚表面が赤くなったり、消化器系に負荷がかかり、下痢や嘔吐と行った症状、ケガした後に血が止まりにくくなるといった症状を起こすことがあります。
肥満細胞腫の中でも、いくつか分類が存在し、特に悪性度が高いものは全身の転移を起こす場合があります。転移はリンパ節、肝臓、脾臓、骨髄などに発生しやすいと言われています。
肥満細胞腫の検査・診断は、病変部の細胞を針で吸引する(針吸引検査と言います)ことで検査・診断を行います。
また悪性度が高い場合、どこかへ転移をしているか検査をするためにリンパ節や肝臓、脾臓の針吸引検査や骨髄検査を実施します。
これは全身麻酔をかけて摘出手術を行う場合ですが、
麻酔に耐えられる体の状態なのか、他に隠れている病気がないかを調べるためにいくつかの検査を行います。
わんちゃんの皮膚表面にできる肥満細胞腫は基本的にはほとんどの場合が悪性です。その悪性度が3 段階(グレード分類と言います)に分けられます。
悪性度のグレード毎に必要な治療・処置が変わってきますが、その病変部以外への転移があるかどうかなども重要となります。
なお皮膚以外にできるものは通常は悪性であり、その中でも悪性度の高い肥満細胞腫として治療します。
悪性度は針吸引検査では判定が難しく、手術にて摘出した病変部を外注検査に出すことで判明します。そのため、術前に悪性度がどの程度なのかはハッキリとはわかりません。
肥満細胞腫の治療で最重要な手段は手術です。
一番最初の手術で肥満細胞腫をどこまで完全に取り除けるかがポイントとなります。
すでにほかの臓器等へ転移をしている場合や体の状態等の事情で手術を行うことが難しい場合、悪性度が高い(グレード3)場合には放射線治療や抗がん治療なども行います。
以下に治療・処置のそれぞれの特徴をまとめました。
・手術:肉眼では見えないがんの部分まですべて取り除けない場合、再発を起こす可能性が高いです。がんとその周囲を含めて広い範囲を手術により取り除く必要があり、がん自体が小さくても大きなキズとなります。
・放射線治療:手術だけではどうしても肥満細胞腫を取り除けない場合、術後に合わせて使用したり、そもそも手術ができないケースに補助的に行うことがありますが、やはり一番の選択肢にはなることは少ないです。
・化学療法:化学療法とは抗がん剤のことです。手術でどうしても肥満細胞腫を取り除けないケースや悪性度が高い場合(グレード3)に再発するリスクが高いケースでは手術と合わせて使用することもありますが、こちらもあくまでもメインの治療というよりは補助的な意味になります。
実際の肥満細胞腫の症例紹介はこちら:https://naha-ah.com/case-himansaibousyu/
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