多くの飼い主様に病気を知っていただくため、来院された患者さまの病気をホームページにてコラム形式で解説しています。 このコラムと似たような病気でお困りの方は、お気軽に当院までお問い合わせください。
今回は「玉ねぎ中毒」の来院時から退院までをご紹介します。
「玉ねぎ中毒」はどの一般家庭でも起こる可能性の高い症例です。また、夕飯時など特に発生が多い症例となりますので、かかりつけの動物病院が時間の都合上、閉まっているケースも珍しくありません。
「玉ねぎ中毒」という病気をあらかじめ知っておくことで、いざという時にすぐに動けます。
玉ねぎを食べた可能性がある。
身体検査、血液検査ではタマネギ中毒を示唆する所見は認められなかった。
血液塗抹検査ではハインツ小体の出現が認められたため、今後の進行を考慮し、入院治療となった。
<入院1日目>
入院0日目(来院日)と比べ、赤血球、ヘマトクリット値が減少。血液塗抹検査でもエキセントロサイトの出現も認められた。
<入院2日目>
前日と比べ、赤血球、ヘマトクリット値はさらに減少。エキセントロサイトも増加。
<入院3日目>
赤血球、ヘマトクリット値が上昇。回復傾向に向かっていると判断し、退院。
今回の症例は、ワンちゃんの中毒で私が最も目にするタマネギ中毒です。
タマネギ以外でも、ネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、エシャロット等でも同様の症状を呈することが報告されていますが、タマネギとニラは毒性が高いと言われていおり、毒性物質への感受性が柴犬と秋田犬は高いとも言われています。
インターネット上では「○○グラム食べると発症する」等と書かれているサイトを目にすることが多いですが、タマネギを使ったおかずの煮汁を少し舐めただけでも発症する子もいれば、相当量食べても発症しない子もいる点を考慮すると、少しでも口にした様子があれば動物病院への受診を薦めております。
主たる症状は赤血球が壊されることによる貧血です。原因食品を口にして1日~数日で現れ、初期症状として嘔吐、軟便、下痢、食欲低下、活動性低下等、症状が進むと粘膜蒼白、呼吸数・心拍数の増加、黄疸、赤~褐色尿の排泄が見られることもあり、適切な治療がなされなければ最悪死に至ることもあります。
もし原因食品を口にして数時間以内であれば、催吐処置で発症を抑えることも可能ですが、時間がたつとそれは不可能です。
タマネギ中毒に対する特別な治療法はなく、輸液や赤血球の保護等の支持療法が中心となります。
重篤な症状を示す場合は、輸血が必要となる例も存在します。
いずれにせよ、原因食品を口にできる環境を作らないこと、仮に口にした場合はすぐに動物病院を受診することが大切です。
甲状腺機能低下症:https://naha-ah.com/case-koujyousenteika/
乳腺腫瘍:https://naha-ah.com/case-nyuusennsyuyou/
子宮蓄膿症:https://naha-ah.com/case-shikyuuchikunousyou/
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